2025年05月01日
自分の思いで歌わない

曲想をつけて歌おうとする時、まずは楽譜に書いてある記号を意識して歌う。強弱の度合いなど表現には個人差があるので、指揮者の指示に従いパートや全体で合わせていく。
曲に慣れてくると、自分なりにこう歌いたいという思いが出てくる。少人数のアンサンブルであれば、それぞれが意見を出し合って考えや表現を統一していくのであるが、一般の合唱ではそうはいかない。皆がそれぞれの思いを言い出すと収拾がつかなくなる。強い意志を持って全体を一つにまとめるのが指揮者の役割である。
指揮者はどう歌わせたいか指揮や表情や言葉で示し、歌い手はそれを受け取って表現する。一言で書くと簡単に思えるが、指揮者の思うように歌うのは結構難しい。まず指揮者の思いを正しく受け止める必要がある。曲の解釈は人それぞれであり正解はない。また自分の解釈と指揮者の解釈が必ずしも同じではない。だから指揮者の解釈に合わせないとメンバー全員が同じ思いにならない。指揮者の解釈が絶対というわけではないが、その考えを受け止めながら曲を作っていく。
指揮者の思いを受け止めるためには、指揮者の発言を正しく理解し、指揮の細かい動きから瞬時に指示を受け取り、正しく表現する。正しく理解し正しく表現するためには日々の鍛錬しかない。言われたことはその都度楽譜に書き込む。それをまずは自分なりに表現してみて、少しずつ修正していく。
前に言われたことと違うこともよくある。柔軟に受け止めていきたい、正解はないのだから。そして常に冷静さが要求される。自己陶酔しないことだ。感情を入れやすい曲は要注意である。
Posted by nao at 19:41│Comments(0)
│Hの練習
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